ソラナックスの効果や発現時間を解説

ソラナックスの不安症・睡眠障害などへの効果とは

抗不安剤である「ソラナックス」には、睡眠障害や不安症をケアする効果があります。

 

ここでは「ソラナックスがどんな症状に使われているのか」「ソラナックスの発現時間」等に関して紹介していきます。

 

目次

 

ソラナックスの用途って?

 

数ある抗不安剤の中でもソラナックスはよく用いられている医薬品です。なぜなら、非常に便利だからです。

 

精神的な不安軽減

 

ソラナックスには、緊張・焦り・不安を軽減したり、鬱状態を改善したりする作用があります。また、更年期障害や神経症を改善する作用もあります。抗不安剤の内では効果は低い方ですが、キープ時間が長いため重宝されています。

 

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睡眠障害

 

ソラナックスはベンゾジアゼピン系統の内では睡眠効果は低い方なので「抗不安剤」に分類されていますが、睡眠効果を持っている事は確かです。ですから、不眠症や睡眠障害をケアするために用いられる場合も多いです。ソラナックスは睡眠作用のキープ時間も長いので、ぐっすり眠れる可能性が高いです。

 

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不安が原因の消化器症状

 

またソラナックスの抗不安作用によって、不安やストレスが引き金の自律神経失調症、過敏性腸症候群、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを治していく場合もあります。

 

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ソラナックスの効果が出る確率・頻度はどのくらい?

 

では「ソラナックスの作用がきちんと発揮される確率」はどのくらいなのでしょうか。効く確率が低いと、使う気にならなくなってしまいますが……。

 

ソラナックスの効果・作用のうち、不安が原因の消化器症状についての「改善率」が、添付文書に記載されているのでチェックしていきましょう。

 

症状

有効率

胃・十二指腸潰瘍

69.5%

過敏性腸症候群

57.0%

自律神経失調症

71.7%

参考ページ:ソラナックス添付文書

 

不安が原因の消化器症状に対する「改善率」は上記の通りです。おおむね6〜7割程度の改善率となっており、これは同じく抗不安薬の「メイラックス」と同程度の改善率となっています。

 

心身症の中では、十二指腸潰瘍・胃潰瘍や自律神経失調症に対しては特に良く効きます。十二指腸潰瘍や胃潰瘍の原因の大半はストレスですから、ソラナックスが良く効くのだと思います。また、過敏性腸症候群に対しても、それなりに効きやすいと言えます。

 

当然効き目には各々で差異がありますから、絶対に効くというわけではありません。ですが、ソラナックスによって色々な不具合を治せる確率がそれなりに高いという事は確かです。

ソラナックスの効果のしくみ(作用機序)

 

ソラナックスの作用を詳しく紹介する前に、ソラナックスの作用機序(効き目が発揮される仕組み)を紹介しておきます。

 

が興奮状態にあると「焦り」や「不安」に襲われやすくなります。脳が活発過ぎる事が原因で、様々な気持ちが生まれてしまって、焦りや不安につながってしまうのです。この焦りや不安が強くなり過ぎると、社会不安障害やパニック障害につながってしまう場合もあるので、脳の動きを安定させてリラックスする事が必要になってきます。

 

 

「脳の動きのブロック」は上記のような形で行われます。Clイオン(Cl-)が脳の興奮抑制に関係しています。Cl-が脳の中に入り込む事によって、脳の興奮が軽減されます。

 

そして、ベンゾジアゼピン受容体やGABA受容体が元気になれば、脳の中にCl-が入りやすくなると見られています。そして、ベンゾジアゼピン受容体とGABA受容体のそれぞれを元気にする作用がソラナックスにはあるので、脳の中にCl-が入りやすくなります。そして、脳が落ち着いて不安が和らぐ事になります。

 

ただし「2タイプのベンゾジアゼピン受容体が存在する」という事は覚えておきましょう。

 

ω1受容体 睡眠作用に関わる
ω2受容体 抗不安作用・筋弛緩作用に関わる

(※ω3受容体もあるが精神作用とはあまり関係ない)

 

ベンゾジアゼピン系統の薬でも実は「抗不安剤」と「睡眠剤」2種類が存在しています。なぜなら、上記のω1受容体とω2受容体のどちらに働き掛けやすいかによって区分されるからです。

 

ソラナックスの場合は、ω2受容体に働き掛けやすいです。ですから、抗不安効果の高い医薬品であると言えます。ω1受容体に全く働き掛けないというわけではありませんが、ω2受容体に対する働きの方が強いので「抗不安剤」という分類になっています。

 

ソラナックスの効果発現時間について

 

今度はソラナックスの持続時間と作用発現時間を紹介していきます。これらを知っておけば、よりソラナックスの作用について詳しくなる事が可能です。

 

発現時間 約2時間
持続時間 約14時間

 

>>血中濃度・半減期はどのくらいある? 持続時間は何時間くらい?

 

ソラナックスの半減期や血液中濃度に関しては上記の記事をチェックして下さい。

 

ソラナックスの作用発現時間はおよそ60〜120分程度であり、抗不安剤の内では比較的早めです。一例として、デパスの作用発現時間はおよそ180分ですから、早く効いてほしいのであればソラナックスの方が役に立つはずです。

 

発作時の頓服薬としても役に立つ

 

ソラナックスは頓服薬として多く使われています。「頓服」とは症状が出そうになった時、出た時にだけ飲む、という薬の飲み方です。

 

具体的な使用場面は以下のような物があります。

 

・パニック障害などの発作が出た時
・人ごみが苦手な方が繁華街に行ったり、電車に乗る前に
・上がり症の方が会議の前に

 

などなど、発作以外ではあらかじめプレッシャーやストレスがかかると分かっている場面に立ち会う前に飲んでおくといいでしょう。

 

抗不安剤の内では「眠気」の副作用に見舞われにくい方ですから、状況に応じて即座に使いやすいというメリットがあるのです。そして、主に「パニック障害」に対して頓服的な服用が成されています。パキシル等のSSRIによるケアがメインですが、いつ起きるかが分からないのがパニック障害の怖さですから、ソラナックスも出しておいて、もしもの時に備えておくわけです。

 

ただ、それでも効くまでに60分前後を要するという事は確かです。一瞬で効くわけではないので、不安に見舞われるタイミングの予想がある程度付くのであれば、遅くともそのタイミングの60分前から使っておいた方が無難だと思います。

 

また、頓服としては「レキソタン」の方が役立ちます。30分〜60分程度で効果が出るので、ソラナックスよりは早く効いてくることになります。もしもっとすばやく効果を発揮する抗不安薬が欲しいなら、レキソタンを処方してもちあるくのも手です。

 

ソラナックスはどんな症状に効果を発揮する?

 

ソラナックスの作用と、ソラナックスの作用が役に立ちやすい症状を紹介していきます。

不安症やうつ状態・うつ病

 

ソラナックスの作用機序のところで説明したように、「ベンゾジアゼピン受容体とGABA受容体を元気にして、脳にCI-が入りやすいようにして、脳をリラックスさせる作用」があります。

 

それによって、神経症が引き金の焦りや不安に関しては6割近い確率で効いてくれるわけです。ソラナックスを飲めば、半分以上の確率で焦りや不安が治まるという事です。

 

そして、ソラナックスの最大の魅力は「半減期がちょうどいい長さ(約14時間)」という事にあります。朝飲めば夜までしっかり効き、寝る前に飲めば夜効果が切れて目覚めてしまうということも少なくなります。

 

ですから「人にバレたくないので薬を飲む回数が少ない方が良い」「薬の服用を失念しやすい」という方に特にお勧めの医薬品となっています。

不眠症・睡眠障害

 

脳の動きを抑制して不安を和らげる作用をソラナックスは持っています。また、睡眠関連の受容体にもそれなりに効くので、「不安が原因で入眠できない」という種類の睡眠障害や不眠症にも効きやすいです。

 

飲んでから60分前後で効きますから、不安が原因で眠りにくいのであればかなり有効です。できるだけ布団に入る寸前に飲むようにして、「効き目が一番大きくなる時に布団に入って横になっている」ようにしましょう。反対に、ソラナックスを飲んでから余計な行動をしていると、効き目が一番大きくなるタイミングを逃す事になって、眠れなくなってしまう場合があるので気を付けましょう。

不安が原因の消化器症状

 

腸や胃等の消化器系統は、人体の内でも特にストレスへの抵抗力が低い場所です。

 

そしてストレスが日々蓄積していってしまうと、消化器の病気(過敏性腸症候群、慢性胃炎、胃潰瘍等)に見舞われやすくなります。このような病気に対しては、一般的には胃腸薬が処方されて、胃腸の症状自体を改善しようとします。ですが、元凶がストレスであるならば、一度症状を改善しても、またぶり返してしまう確率が高いです。

 

そこで、ソラナックスを「元凶である不安・ストレスを軽減する」ために用いられる場合があります。ソラナックスによってストレスや不安を軽減する事で、胃腸の病気を和らげる事ができますし、胃腸の病気自体が原因で不眠状態になる、ストレスが蓄積するといった二次的な被害も防止する事ができます。

 

また繰り返しになりますが、心身症に対してもソラナックスは効き、胃潰瘍に付随する緊張や不安に対しては7割近い確率で効いてくれます。ですから、ソラナックスはどちらかと言うと、心身症に付随する不安を和らげるために用いる方が有意義なのかもしれません。

 

ソラナックスが効かない、効果ない場合はあるの?

 

それから、ソラナックスを使っても効かなかったり、効果が薄かったりする場合もあります。

 

不安と関係ない不眠症・睡眠障害

 

睡眠障害や不眠症の要因は多種多様です。

 

メンタル面の要因である場合 プライベートや仕事のストレス。
身体面の要因である場合 咳、くしゃみ、喘息、花粉症、痒み、腰痛等。
薬や成分が要因である場合 ニコチンやカフェイン等の覚醒効果。
精神面が要因である場合 不安症、統合失調症、鬱状態、鬱病等。
それ以外 時差ボケ、昼夜逆転など

 

代表的な要因としては上記の通りです。

 

ベンゾジアゼピン系統の薬ではあるものの、ソラナックスの睡眠効果は低めです。

 

繰り返しになりますが不安が原因で入眠できない等であれば、ソラナックスでもあっさりと入眠できる場合もあります。ですが、薬や成分、身体面の要因であるならば、ソラナックスでは入眠できない可能性が高いです。不安はあまり関係ないからです。

 

不安とは無関係に眠れなくなっているのであれば、「マイスリー」「アモバン」等の「睡眠剤」、つまり睡眠作用に重点を置いた医薬品を使う方が良いです。ソラナックスの分類は「抗不安剤」ですから、普段のプレッシャー・焦り・不安等を和らげるのが役目です。睡眠障害を治したいのであれば、病院に行ってそれに適した医薬品を出してもらう事が必要です。

 

筋弛緩作用に関わる症状(肩こりや腰痛など)

 

ベンゾジアゼピン系統の薬には筋弛緩効果があり、腰痛や肩こりを和らげる事のできる薬もあります。ω2受容体が元気になる事で不安が和らぎ、それに付随して「筋弛緩効果」も生まれるのです。

 

ソラナックスに関してもω2受容体にある程度効くので、腰痛や肩こりが改善される場合もあります。ただ、添付文書にはそのような事は特に書かれていないので、腰痛や肩こりを治すためだけにソラナックスを使うのは得策ではありません。抗不安剤の仲間である「デパス」には、肩こりや腰痛への確かな効果があるので、医療機関に肩こりや腰痛を治すために出向いたのであれば、デパスが出される事になるはずです。

 

デパスであれば7割以上の確率で肩こりに効くので、よく処方されます。

 

ソラナックスのジェネリックも効果は同じ?

 

医薬品は特許を有するメーカーしか作ってはならない事になっています。しかし、一定年数が過ぎて特許期間を過ぎると「ジェネリック」として、どこの企業でも同様の成分が入った医薬品を製造できるようになります。「後発品」と表現される場合もあり、リーズナブルな価格である事も魅力です。

 

ソラナックスのジェネリックは「アルプラゾラム錠」です。これらは、ソラナックスの4〜5割程度の値段で購入する事が可能です。

 

成分が完全に共通していますから、効き目も同じです。単に価格が安いだけなので気兼ねなく使用できます。

 

まとめ

 

脳の動きを抑えてリラックスさせる効果がソラナックスにはあります。

 

  1. 不安・うつ
  2. 不安をともなう睡眠障害
  3. 不安が原因の心身症

 

ですから↑のような症状にも効きます。ですが効く確率は6〜7割前後なので、必ず効くとは言えません。また、キープ時間が非常に長いので、頓服的な使い方をする事はほぼできません。

 

また、ソラナックスに関しては「離脱症状」「副作用」にも気を付けましょう。ソラナックスはキープ時間が長いですし、長期的に飲んでいく事にもなりやすいので、耐性が付きやすく依存もしやすいです。ですから、ソラナックスを飲むのを(一旦)止めると、離脱症状に見舞われる恐れがあります。

 

>>ソラナックス【副作用・断薬時の離脱症状を避ける方法】

 

上記はソラナックスの副作用や離脱症状について解説したページとなります。一度、ご確認ください。