ソラナックスとの併用禁忌薬は? 飲み合わせの悪い組み合わせ?

ソラナックスの併用禁忌薬をチェック

 

ソラナックスは比較的副作用の穏やかな抗不安薬として便利に使われています。

 

ですが、ソラナックスを服用する際には、併用が禁忌とされている薬があります。知らずに一緒に服用してしまった場合には、相乗効果で薬が効きすぎてしまうなど、たいへんなことになってしまう場合があります。

 

また、禁忌のルール(こんな患者には使用してはいけない等)や、併用禁忌ほどデリケートではない「併用注意」といったカテゴリの薬品も存在します。これらを服用前には必ずチェックしておくようにしましょう。

 

目次

 

使用禁忌ルール

 

併用ではなく、そもそもこういった方はソラナックスを使用してはいけない、という使用禁忌ルールを紹介します。

 

1.本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.急性狭隅角緑内障のある患者
3.重症筋無力症の患者

 

本剤に対し過敏症の既往歴のある患者

 

これはつまり、過去にソラナックスを使用してアレルギー反応が出てしまった患者のことです。

 

アレルギー反応は1度目より2度目、2度目より3度目の症状の方が大きくなる傾向にあります。その為1度でもアレルギー反応が出たことがある方は絶対に使用しないようにしてください。前回大丈夫だったとしても、次はもっと大きな症状が出る可能性がありますので安心できません。

 

急性狭隅角緑内障のある患者

 

急性狭隅角緑内障の患者は眼圧が上がるという症状が出ることがあります。ソラナックスは服用により眼圧が上がりますので、更に眼圧を上げてしまうことになり、最悪では失明してしまう場合もありとても危険ですから服用は避けて下さい。

 

重症筋無力症の患者

 

重症筋無力症は腕や足を始め全身の筋肉が弛緩するという症状が出ます。ソラナックスの筋弛緩作用はその症状をさらに悪化させてしまいますのでとても相性の悪い医薬品です。

 

併用禁忌薬

 

それではソラナックスの併用禁忌薬を紹介していきます。

 

HIVプロテアーゼ阻害剤

 

HIVが増殖する際に活動するプロテアーゼという酵素があります。HIVプロテアーゼ阻害剤はこの活動を邪魔することで、HIVウイルスが体内で増殖するのを遅らせる働きを持っている薬です。
しかし、その際にソラナックスを代謝する際に働く「CYP3A4」の働きも同時に邪魔します。代謝の邪魔をされると血中濃度が上がりすぎてしまったり、効果時間が伸びてしまいます。また、依存性や耐性形成を早めてしまう可能性があります。

 

併用注意薬

 

次に併用禁止までは行かないですが、併用時には注意が必要な併用注意薬を紹介します。

 

中枢神経抑制剤

フェノチアジン誘導体(ウインタミン、コントミンなど)…向精神薬
バルビツール酸誘導体 (ベゲタミン、ラボナなど)…向精神薬

 

ソラナックスは中枢神経の働きを抑える効果があります。中枢神経抑制剤も同じような効き目がありますので、同時に服用してしまうと効果も副作用も倍になってしまいますのでとても危険です。更に双方の依存形成や耐性形成も早まってしまい、断薬時の離脱症状も強まってしまうということになります。

 

病院側ではほとんどの場合医薬品の飲み合わせは把握していますが、もしも複数の病院を掛け持ちしていた場合にはその患者がどんな薬を飲んでいたかは把握できません。その為、処方されてしまうこともあるでしょう。

 

「お薬手帳」を用いれば、複数の病院に掛かっていたとしても、自分がどんな薬を服用中なのかを確実に病院側に伝えることが可能です。自分の体のことですから面倒臭がらずに記入して現在の服薬状況を把握しましょう。

 

またアルコールも中枢神経抑制効果を持っていますので、ソラナックスと相乗効果があります。効きすぎる事を避けるために併用はしないでおきましょう。

 

>>アルコールとの併用に注意! お酒との相性はよくない

 

モノアミン酸化酵素阻害剤

パーキンソン治療薬(エフピーOD2.5錠など)

 

中枢神経抑制剤と同じくこちらも、中枢神経をリラックスさせる作用を持っています。同時接種は効果が倍増して危険ですから、平癒の際には気をつけましょう。

 

この薬はパーキンソン病治療目的で使われますので、服用者は高齢者であることが多いと思います。飲み合わせに気が回らない方もいらっしゃると思いますので、ご家族をはじめとした周囲でケアをしてあげられるようにしましょう。

 

CYP3A4阻害剤

リトナビル(C型肝炎ウイルス感染症治療薬)、イトラコナゾール(カビ殺菌薬)、フルボキサミンマレイン酸塩(抗うつ薬)、イミプラミン(抗うつ薬)、シメチジン(胃酸抑制薬)など

 

上で説明した「HIVプロテアーゼ阻害剤」ほど顕著ではありませんが、こちらもCYP3A4の働きを邪魔することで血中濃度を上昇させます。

 

C型肝炎ウイルス感染症治療、カビ殺菌(水虫・性病治療)、胃酸抑制(胃炎・胃潰瘍治療)といったように服用目的は多岐に渡り、またソラナックスとは競合しない場合が多いでしょう。その為に違う病院にかかる可能性も高く、飲み合わせを気にしていなければ処方されることも多いでしょう。

 

特に注意したいのが、胃薬に使われる「シメチジン」です。いわゆる「H2ブロッカー」と呼ばれる成分で、胃酸を抑える働きがあるのですが、こちらは市販もされています。そのため、知らず知らずのうちにソラナックスとの併用にいたってしまうケースがよくあります。同じH2ブロッカーの「ガスター」は併用注意ではないので、H2ブロッカーを利用したいならガスターのほうを選んだほうがよいでしょう。

 

自分の服薬状況を記録して伝えるのはもちろん、自分から「飲み合わせが気になる」と言ってしまってもいいでしょう。

 

CYP3A4誘導剤

カルバマゼピン(抗てんかん薬)など

 

真逆の働きで、CYP3A4を活発に活動させる効果を持つのが「CYP3A4誘導剤」です。

 

血中濃度を薄くしたり、効果時間を短くするといったように効果も真逆になっています。ソラナックスの効果が弱くはなりますが、直接的に被害があるわけではありませんのであまり敏感になる必要はないでしょう。逆にこれを気にしてストレスをためたり、飲むべき薬を飲まない方がよくないでしょう。

 

CYP3A4ってなに?

 

CYP3A4は体内に存在するざまざまな代謝酵素の中の一つです。

 

代謝酵素の「代謝」とは体内に入ってきた成分を水溶性、つまり水に溶けやすい形に変換する作業のことです。

 

体内に入ってきた薬はそのままでは脂溶性、つまり脂に溶けやすい形になっているので、そのままではなかなか体外に排出されません。そこで、薬を水に溶けやすい形へと代謝する必要があるのです。我々人間の体の多くは水分でできています。その為に水に溶けやすい形にして流れやすくすることでスムーズに尿として体外へと排出する事ができるのです。

 

これらの作業(代謝)を代謝酵素が行います。代謝酵素は全ての成分を代謝するのではなく、成分によって代謝を担当する酵素があらかじめ決まっているのです。

 

そのたくさんの代謝酵素の中でソラナックスを代謝するのがCYP3A4です。

 

CYP3A4誘導剤であるカルバマゼピンを飲むと、このCYP3A4が活発に働きます。その結果、ソラナックスは活発に代謝されてどんどん体外に出てしまうことになります。ですから、ソラナックスの効果時間は短くなり効き目も弱くなってしまうのです。

 

CYP3A4阻害剤はは逆にCYP3A4の働きが弱まり、ソラナックスの効果時間はのび効き目も強くなるのです。

 

よく使われる医薬品とソラナックスの飲み合わせ

 

ソラナックスの併用禁忌・注意薬については上で解説した通りです。ただ、これ以外にも「普段使っている薬があるけど、ソラナックスとの相性はどうなんだろう」と不安になっている人はいるかもしれません。

 

そこで、ここではよく使われる医薬品とソラナックスとの飲み合わせについて解説します。

 

風邪薬(ムコダイン・パブロン・ルルなど)

 

まずは、ソラナックスと(医薬品の)風邪薬との併用についてお伝えしていきます。

 

医薬品名

効果

アスベリン

咳止め

アストミン

咳止め

フスコデ

咳止め

メジコン

咳止め

レスプレン

咳止め

アンブロキソール

喉の炎症を鎮める

エンピナース

喉の炎症を鎮める

 

ムコダイン

咳止め、痰切り、鼻づまり防止

 

上記が(医薬品の)風邪薬として良く使用されているものです。ムコダインは多種多様な症状に効くので特に重宝されています。

 

ソラナックスと、これらの(医薬品の)風邪薬は基本的に一緒に使っても大丈夫です。使う風邪薬次第で眠気が増幅される場合もありますが、ソラナックスを飲んでいる事をドクターに伝えておけば、最善の薬を処方してくれるはずです。

 

自分で買う事になるので、むしろ市販の風邪薬を購入する時の方が気を付けなければなりません。ルルやパブロン等の店売りの風邪薬が人気ですが、これらの薬には抗ヒスタミン剤(鼻詰まりや鼻水に効きます)が含まれている場合が大半です。

 

抗ヒスタミン剤にもソラナックスにも中枢神経を抑える作用があるので、一緒に使うと眠気が増幅されてしまう恐れがあります。休日等、いつ眠っても良い状態であるならば一緒に使うのも良いかもしれませんが、仕事や用事がある場合は細心の注意を払いながら併用するようにしましょう。

 

店売りの風邪薬には「マレイン酸カルビノキサミン」「d-クロルフェニラミン」等の抗ヒスタミン剤が入っています。外箱の成分欄をチェックして、含まれているのであれば、その薬は避けるようにしましょう。不安ならば、ドラッグストアの店員さんに確認を取りましょう。

 

胃腸薬(ムコスタ・ガスター・ビオフェルミンなど)

 

次は胃腸薬との併用に関してです。

 

ムコスタ、ブスコバン、ガスター、タケプロン、パリエット、ネキシウム、ビオフェルミン など

 

(医薬品の)胃腸薬としては上記のものなどがあります。

 

胃腸薬についてですが、「シメチジン」と一緒に飲むのであれば、気を配る必要があります。シメチジンでない胃腸薬であれば、原則として併用してOKです。

 

ちなみに、ソラナックスの場合は消化器関連の副作用に襲われる場合もあるので、むしろドクターから胃腸薬が処方される場合があります。ですから、むしろ相性は良いくらいなのです。

 

ただ、胃腸薬の効果も様々ですから、状況にマッチしたものを使わないとかえって症状がエスカレートする恐れもあります。ですから、基本的には自分で使う物を決めるのではなく、ドクターやドラッグストアの店員に決めてもらった方が良いと思います。

 

解熱鎮痛剤(ロキソニン・ボルタレン・バファリンなど)

 

胃腸薬と同様に、医薬品の「解熱鎮痛薬」を利用している方もたくさんいます。主に生理痛や頭痛のために使われているようです。

 

ロキソニン、ボルタレン、イブプロフェン、アスピリン、ポンタール、インドメタシン

 

鎮痛薬でよく利用される医薬品としては上記のものなどが存在します。そして、これらの医薬品を指して「NSAIDs」と言います。ソラナックスとNSAIDsは基本的に一緒に飲んでも大丈夫です。ただ、ソラナックスにもNSAIDsにも消化器関連の副作用が存在しますから、可能な限り併用はしない方が良いと思います。

 

>>ソラナックスの消化器系副作用について

 

上記でソラナックスに関する消化器関連の副作用を紹介していますが、NSAIDs(ボルタレンやロキソニン等)にも、胃を荒らす作用があります。

 

さらに「NSAIDsの消化器関連の副作用の要因」と「ソラナックスの消化器関連の副作用の要因」は異なります。ですから同タイミングで生じて、かなり酷い症状が出てしまう恐れがあるのです。

 

ですから一緒に使うのであれば、絶対にそれぞれの飲み方と飲む量を守りましょう。お腹が空いている時にNSAIDs(ロキソニン等)を飲むと、胃が荒れやすくなるので、食事を終えてから飲むようにしましょう。胃腸の状態が悪くなってしまう場合は、胃腸薬を使う事を検討しましょう。病院に行って、最適な胃腸薬を出してもらうようにしましょう。

 

その他の医薬品(ピル、抗生物質、ワーファリンなど)

 

次に、ソラナックスと抗生物質、ソラナックスと女性が飲むピルとの組み合わせに関して解説していきます。

 

種別

代表医薬品

概要

ピル

トリキュラー、ダイアン、ヤスミン、アイピル

併用はOK。ただし消化器系の副作用の重複に注意

抗生物質

フロモックス、メイアクト、クラビット、ジスロマック、クラリスロマイシン

併用はOK。ただし消化器系の副作用の重複に注意

ワーファリン

ワルファリン

併用はOK。

 

「ソラナックスと一緒に飲む事」については上記の通りです。基本的にどれも併用OKですが、やはり消化器関連等の副作用が重なる恐れがあるので油断は禁物です。

 

ソラナックスと相性の悪い食べ物ってどんなもの?

 

ソラナックスには飲み合わせの悪い医薬品がありますが、それ以外にも気をつけたほうがいい食品があります。

 

それは「セントジョーンズワート」です。セントジョーンズワートはハーブの一種で、抗不安作用があると期待されている食品です。ソラナックスと作用が似ているため、一緒に摂取することで作用を強めてしまう可能性があります。なかには、ダイエット目的で飲んでいる人もいるため、ソラナックスと相性が悪いことを知らずに併用するケースもあります。

 

ほかにも、注意したいサプリとして、セロトニンやメラトニンがあげられます。むやみに併用すると、お互いの作用を強めてしまう可能性があります。ただし、ソラナックスを断薬するために、一時的にセロトニンを服用するなら問題ないでしょう。

 

まとめ

 

ソラナックスと併用禁忌・注意の医薬品は以下の通りとなっています。

 

併用禁忌薬

  1. HIVプロテアーゼ阻害剤

 

併用注意薬

 

  1. 中枢神経抑制剤
  2. CYP3A4阻害剤
  3.  

    リトナビル(C型肝炎ウイルス感染症治療薬)、イトラコナゾール(カビ殺菌薬)、フルボキサミンマレイン酸塩(抗うつ薬)、イミプラミン(抗うつ薬)、シメチジン(胃酸抑制薬)など

     

  4. CYP3A4誘導剤
  5.  

    カルバマゼピン(抗てんかん薬)など

     

 

上記の医薬品については、薬の処方を受ける際に「ソラナックスを服用中です」と伝えることで危険な併用を回避することができます。

 

また、市販薬などの飲み合わせについても、

 

  1. 眠気やふらつき、めまいの副作用
  2. 吐き気、胃痛などの消化器系副作用

 

これらのリスクがある点に注意して併用するようにしましょう。

 

また「腎臓・肝臓へのダメージ」にも目を向けておくべきです。薬の排泄や代謝はほぼ腎臓・肝臓で行われますから、たくさんの薬を使えば使うほど、腎臓や肝臓へのダメージが大きくなります。
ですから、別の薬とソラナックスを一緒に飲むのであれば、腎臓や肝臓のコンディションにもしっかり目を向けるようにしましょう。健康診断等で良くない結果が出ているのであれば、医療機関に許可を取ってから併用するように心掛けて下さい。